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スーパーボール

今日も寒いですね。春はまだまだ遠いのですな。

節分だから、もう春に近づくはずなんですよね?

「月も朧に白魚の、篝火もかすむ春の空、冷たい風もほろ酔いに、

心持ちよくうかうかと、浮かれ鴉のただ一羽。

塒へ帰る川端で、竿にしずくか濡れ手で粟。思いがけなく手にはいる百両。

ほんに今夜は節分か。西の海より川の中、落ちた夜鷹は厄落とし。

豆沢山の一文の、銭と違った金包み。こいつは春から縁起がええわい。」

お嬢吉三の名台詞。ほんと、毎年のように言ってますが、恵方巻きよりよっぽど馴染みがあります。

恵方巻きっていつから全国区になったんですかね?

私の実家では、全くそんな文化はありませんでした。

まぁそれはいいとして、黙阿弥先生の素晴らしいこの台詞。

歌舞伎の面白さを伝える一つの代表的な台詞なんですよ。

季節を表す言葉が入り、奇麗な大川(隅田川)の光景が想像出来て、

明かりのなかった時代に篝火で漁をしてる人達の、篝火が霞んでしまうような奇麗なお月様が出てる夜。

春まだ早い季節にちょっと冷たい風を受けながら、ホロ酔いに歩いて帰ってる姿を想像すると、

たまらなくいい雰囲気が見えてきますよね。

現代のように、電気もガソリンも何もなく、新聞、テレビ、雑誌、ラジオ、インターネットなど等、何も情報源がなく、

他の娯楽がなかった時代の人達が、この芝居をみてどれだけ楽しかったのか。

自分を何にもなかった時代へトリップさせて、この台詞のように奇麗なお月様が川面に揺れて…

なんて考えたら、そりゃこのお芝居がいかに面白いかわかりますよ。

節分になると思い出す、お気に入りのお芝居ですね。

「三人吉三廓初買」黙阿弥先生の名作です。



で、毎年その芝居を思い出す頃に行われるのがスーパーボールです。

私はフットボールが基本的に大好きなんですよ。

それを前提として、愛してるから言う言葉だと思って頂きたいのですが、

本当にフットボールってバカバカしいスポーツだと思うのですよ。

こうして書くと、上手く表現が出来ないのでおかしな言葉になってしまうかもしれませんが、

いつもいつも観てて思うんです。なんてバカバカしいスポーツなんだろうって。

好きだから楽しみに観てるんですよ。決して嫌いで嫌みを言ってる訳じゃないんですよ。

このバカバカしさが面白いんですよ。興奮してしまうんですよ。

夢中になってみてしまうアメリカ人の気持ちも分からない訳ではないですが、

この競技をオリンピック種目にしようとしてるのにはあきれてしまいます。

でも、何故かこのスポーツは面白い。頭脳プレイとか言ってるけど、頭使ってるのは一部の選手だけで、

その他のほとんどは巨体を精一杯大きく見せて、体当たりしてるだけですからね。

アホのように身体をでかくして、まともに走れないような選手がぶつかり合って、

その周りを投げたり走ったりしてるんですよね。ご存知だと思いますけど。

朝から晩までキックした練習してない選手とか、とにかく身体を鍛えるというかでかくすることしかしてない選手とか、

そんなスポーツって他にあります?

野球のピッチャーが似たようなものですが、それでもちょっと違うように思うんです。

やっぱりアメフトって、他のどのスポーツとは違った分野だと思うんですよね。

でも、個人的にもどうしても面白くて観てします。

バカバカしいと思いながらも観て、興奮してしまう。

なんだかんだといって、毎年のように誰かの家に集まって、

ああでもないこうでもないいながら、ハーフタイムショーを楽しみにしてみたりしてる。

長年アメリカで生活してても分からないことの一つです。

アメリカ人にいわせると、楽しいんだから何が問題なの?ってことなんですが、

何も問題じゃないんだけど、何で楽しいかがよく分からないけど、

とっても楽しいのって”何?”っていうところなんですよ。

だって、とてつもなく大きな身体した輩達がウワーってぶつかり合って、

その近くで白人のインテリみたいな人が一人ボールもって、頭良さそうに司令塔になって、

しかもパスなんか通しちゃったら一番持てるポジションにいる訳ですよ。

アメリカの格差を象徴してるように思えてならないんですよね。

だからこそ、ゲットー出身の選手達が活躍すると、似たような境遇の人が賛同して、

熱狂的になって行くんだと思います。

まぁ私も偉そうにホワイトカラーの出とは言えませんので、気持ちがよくわかるのですよ。

だからこそ、バカバカしいと思ってても、興奮しちゃうんですよね。

ステロイドがどうのとか、そんなこともお構いなしのNFLってやっぱり凄いですよ。

あんな身体作るのに、子供の頃からアホみたいトレーニングして来てるとおもうけど、

それなりに色んなもの使ってるとしか思えないですよね。

でも何のお咎めもなしでいられるのだから、それほど人気が高いってことなんだろうなって、勝手に納得しています。

一年に一度のお祭りだと、完全に思ってるアメリカ人も多いので、

私も文句なしに楽しむことが出来るのですが、

本当に何が分かってるのかな・・・?って自分に問いかけてしまいました。

実は、そのきっかけになったのが恵方巻き。

関西人は縁起がいいと言うけれど、何の根拠もなく、

のり業者さんなんかが、バレンタインデーと同じ感じで始めたみたいですよね。

何のご利益もないのにこんなに騒がれるって何?

そんで、私の田舎にはそんな文化全くなし。なんともおかしな感じで、

スーパーボールに頃には必ず、関西出身の友との意見が食い違うのが恒例なのです。

昨日ももれなく、意見の食い違い。でも大変に楽しいスーパーボールナイトでしたよ。


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コメント

ブームに乗っかり毎年恵方巻き食べてますが、
業者への感謝の気持ちが少ない為か御利益無し。
故郷は昨年より積雪少なく幾分楽に過ごせています。
大雪にはくれぐれもお気をつけ下さい。

投稿: kin | 2013年2月 9日 (土) 01時37分

kinさん
雪が降る故郷とは、似たような地方のようで。
恵方巻きのご利益よりも、自分のパワーの方がよっぽど効果ありそうですよ!

投稿: クニマツ | 2013年2月21日 (木) 10時24分

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